山形雛レポート“ひなのご縁”
寒河江
月山のすそ野に広がるさくらんぼの里寒河江市。慈恩寺は、天平18年(746)、聖武天皇の勅命でインド僧婆羅門僧正が開基したと伝えられる、東北を代表する名刹(めいさつ)です。
国の重要文化財に指定されており、その規模と歴史的価値は、平泉中尊寺に並ぶと言われています。
慈恩寺 陣屋
慈恩寺の近くにある176年続く料亭、富久住陣屋。
料亭主人の柏倉亮祐さんは、有名な人形収集家。なにをかくそう、「山形雛街道」を提唱した方です。山形県には素晴らしい雛人形があり、こうした点を線に結べば、新たな観光資源になるのではないかとの思いからだそうです。享保雛をはじめ、代々伝わるものや、その後に入手したものなど十五組、約百二十体の雛人形を所有されています。また、このお屋敷は「雛のかくれ家」をテーマに、雛のサイズにあわせて、設計されているというこだわり。

玄関に入ると、まず立派な雛段飾りがお出迎えしてくれました。
飾りつけは代々当主が行っていて、この設えだと3人がかかりで3日間かかるそう。古いお雛様などは、光によって衣裳が解けたりするので、なるべく動かさないようにして、保管も白い布を被せて気をつけているようです。


また、雛人形は「道具」を見ればその価値がわかるそうです。
ずらりと並んだ道具の中に、箪笥を発見。漆の塗りもすばらしく、なんと高級車1台分のお値打ちがあるそうです。手鏡は見えない裏面にも素敵な細工が!おはぐろをする道具には、かんざし職人の緻密な技がこらされています。

雛文化の発展を通じ地域に貢献をしている柏倉さんには、飾りきれない程の感謝状と表彰状が。「お雛様の親分になろうと思った」と笑顔で話す柏倉さんは、山形を誇りに思う、とてもスケールの大きい方でした。

